光熱費の節約効果が高く、環境に優しい給湯器としてますます注目度が高まる「エコキュート」。購入を検討中の方にとっては、「どんなメリット・デメリットがあるの?」と気になるところですよね。
はじめに結論を言いますと、エコキュートには以下のメリット・デメリットがあります。
- メリット①:電気代を大幅に節約できる
- メリット②:環境に優しい(お財布にも)
- メリット③:非常時にも「お湯(水)」が使える安心感
- メリット④:地震や災害時でも安心・安全
- メリット⑤:発電した電気でもお湯が沸かせる
- デメリット①:初期費用が高め
- デメリット②:設置にスペースが必要
- デメリット③:「お湯切れ」のリスクがある
この記事では、以上のメリット・デメリットのくわしい解説に加えて、お得にエコキュートを買う方法やガス給湯器との違いもご説明していきます。記事を読めば、あなたの家庭にエコキュートを設置すべきかどうか、しっかり理解できるようになります!
そもそも「エコキュート」とは?
エコキュートとは、大気中の熱を利用してお湯を沸かす「ヒートポンプ技術」を活用した家庭用の省エネ給湯器です。少ない電力で効率よくお湯を作れるため、ガス給湯器や電気温水器と比べてランニングコストが安く、環境にも優しいのが特長です。
さらに、エコキュートは夜間の安い電気料金を使ってタンクにお湯を貯め、日中に使うスタイルが基本。そのため、都市ガスやプロパンガスの給湯器と比べて、年間の給湯コストを約1/2〜1/5に削減できると言われています。たとえば4人家族で年間5〜7万円以上の節約につながるケースも少なくありません。
さらに、深夜の安い電力を使ってお湯を貯めておく仕組みなので、電力会社の「深夜電力プラン」と組み合わせて電気代をさらに節約可能です。
また、電気で稼働するためCO₂排出も少なく、再生可能エネルギーとの相性も良好。太陽光発電と組み合わせれば、自家発電した電気でお湯を沸かす「ゼロ円給湯」も実現可能です。省エネ・経済性・災害時の安心までそなえたエコキュートは、これからの家庭にぴったりのスマート設備と言えるでしょう。
エコキュートのメリット5つ
エコキュートは、単にお湯を沸かすだけの給湯器ではありません。省エネ性や経済性、災害時の備えとしても注目される、多機能で頼れる存在です。ここでは、エコキュートを導入することで得られる代表的なメリットを5つに絞ってご紹介します。
- ①電気代を大きく節約できる
- ②環境にやさしい(お財布にも)
- ③非常時にも「お湯(水)」が使える安心感
- ④地震や災害時でも安心・安全
- ⑤発電した電気でもお湯が沸かせる
それでは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう!
メリット①:電気代を大きく節約できる
エコキュート最大のメリットは、なんといっても「電気代を大幅に節約できる」ことです。最大のポイントは、電気代が安い深夜のうちにまとめてお湯を沸かす仕組み。いわゆる「深夜電力プラン」と組み合わせることで、電気代をぐっと節約できるのです。
たとえば、一般的な家庭(3〜4人家族)で、従来のガス給湯器からエコキュートに切り替えた場合、年間で「2〜5万円」程度の節約が可能と言われています。また、ヒートポンプ技術により、深夜以外でも少ない電力で効率よくお湯を作れるのも魅力です。
さらに、オール電化住宅では「ガス基本料金」が不要になるため、光熱費全体のコストダウンにもつながります。ただ環境に優しいだけでなく、家計にも優しいエコキュート。電気代が高騰する今、光熱費を見直したい家庭にはぴったりの選択肢です。
メリット②:環境にやさしい(お財布にも)
ただお湯を沸かすだけで、地球温暖化対策に貢献できる——エコキュートは、環境への負担を最小限に抑えた“サステナブルな給湯器”です。
最大の違いは「ガスを一切燃やさない」という点。従来のガス給湯器は、燃焼によってCO₂を排出しますが、エコキュートは空気中の熱を利用するヒートポンプ式なので、化石燃料を使わず、排出ガスもゼロ。これが環境負荷を大きく減らす理由です。
たとえば、一般家庭でガス給湯器からエコキュートに切り替えると、年間で約1トンのCO₂を削減できると言われています。これは杉の木約70本分が吸収するCO₂量に相当します。
環境を守ることと、節約を両立させるのは難しそうに思えるかもしれません。でもエコキュートなら、そのどちらも無理なく叶います。CO₂を出さずにお湯をつくるだけでなく、深夜電力を活用することで毎月の電気代も節約。地球とお財布、どちらも笑顔になれる選択肢です。
メリット③:非常時にも「お湯(水)」が使える安心感
エコキュートは、給湯器でありながら、災害時には“命をつなぐ水がめ”として活躍します。
タンク内には常に100〜460リットルほどのお湯や水が貯められており、停電や断水などで給湯器が使えなくなっても、貯湯タンクの水を非常用水として使うことができます。これは一般的なガス給湯器にはない、大きな安心ポイントです。
たとえば、地震や台風の影響で断水が続いた際、飲用は難しくても、トイレや手洗い、簡易な洗い物などに利用でき、家族の衛生環境を守る手段として非常に重宝されます。
また、エコキュートはガスを使わず電気で動くため、火を使わないという点でも安心。火災のリスクが低く、災害時にガス漏れや引火の心配がないのも、家庭の安全を守る上で大きな利点です。
普段は省エネ・節約に貢献しながら、非常時には生活用水の確保と火災リスクの低減にも役立つ。エコキュートは、日常と非常時のどちらにも強い、暮らしの安心を支える存在なのです。
メリット④:地震や災害時でも安心・安全
エコキュートは、地震や台風などの自然災害時にも安心して使える給湯設備として高く評価されています。火を使わない電気式のため、ガス漏れや引火といったリスクがなく、火災に対してとにかく安心・安全性なのが大きな特長です。
災害により電気やガスの供給がストップしたときでも、電気式なのでガス管などの復旧を待つ必要がなく、停電回復後すぐに使用可能。メンテナンスや修理の対応も比較的スムーズです。この特性は防災における「レジリエンス(回復力)」の高さを示しており、迅速な生活インフラの復旧に貢献します。
さらに、最新機種の中には「耐震クラスS」など、震度7相当の地震にも耐えられる構造を持つモデルも登場しており、安心感はさらに向上しています。
このように、エコキュートは日常だけでなく「もしも」の時にも頼れる、非常時に強い給湯システムなのです。
メリット⑤:発電した電気でもお湯が沸かせる
エコキュートは、家庭で発電した電気、特に太陽光発電の電気を使ってお湯を沸かせる点が大きなメリットです。自家発電した電力を使ってお湯を沸かすことで、電力会社から購入する電気を減らし、光熱費を大幅に節約できます。
たとえば、昼間の太陽光で発電した電気をそのまま「昼間シフト設定」で沸き上げに活用すれば、夜間の電気代削減に加えて、日中の電力消費も賢くカットできます。電気料金が高い時間帯の電力購入をとことん減らせるため、具体的には年間で数万円の節約になることもあります。
最近では、太陽光発電で作った電気は売電するより、自宅で使うほうが経済的に有利とされています。こうしたサイクルは、環境負荷の低減にもつながり、エコな生活を実現する上でも大きなメリット。自家発電と組み合わせた賢い給湯方法として、エコキュートはこれからの家庭に欠かせない存在です。
エコキュートのデメリット3つ
光熱費の節約や災害への対応力で人気のエコキュートですが、導入前に知っておきたい注意点もいくつかあります。実際の利用者の声や設置後によく聞かれる「3つのデメリット」は以下のとおり。
- ①初期費用が高い
- ②設置スペースの確保が必要
- ③お湯切れのリスクがある
それでは、それぞれの詳細を具体的に見ていきましょう。
デメリット①:初期費用が高い
エコキュートの一番気になるデメリットは、購入から設置までの初期費用が一般的なガス給湯器よりも高額になることです。機種や設置環境にもよりますが、本体と工事費を含めて40万円〜70万円程度かかることが多く、特に初めて導入する家庭にとってはハードルが高く感じられるでしょう。
ただし、自治体や国の補助金を活用すれば、数万円〜最大20万円ほどの支援が受けられる場合もあり、費用負担を抑えることが可能です。さらに、エコキュートは電気代が年間約5〜7万円節約できるとされており、3〜4人家族であれば6〜8年程度で元が取れる試算もあります。
初期コストは高めですが、長い目で見れば十分にメリットのある投資と言えます。将来的な光熱費の削減や災害時の備えも考えれば、検討する価値が高いでしょう。
デメリット②:設置スペースの確保が必要
2つ目のデメリットは、エコキュートの導入には「貯湯タンク」と「ヒートポンプユニット」の2つの屋外設置する必要であり、ある程度の設置スペースを要することです。
具体的なサイズ感は以下のとおり。
- 貯湯タンク…幅70〜80cm・奥行60〜80cm・高さ180cm前後
- ヒートポンプユニット…幅80〜90cm・奥行30〜40cm・高さ60〜75cm前後
さらに、ヒートポンプの吹き出し口の前に物を置かないよう前面に50cmほど、点検や通風のために各設備の周囲に10〜20cmの余裕が必要となるなど、サイズ以上のスペースが要求されます。
とはいえ、最近はスリムタイプ(幅約45cm)や薄型モデルも増えており、柔軟な設置対応は可能です。事前に現地調査をすれば、「意外と設置できた」というケースも多く、そこまで心配しすぎなくても大丈夫です。
デメリット③:お湯切れのリスクがある
エコキュートは貯湯タンクにためたお湯を使う仕組みのため、使用量が想定を大きく超えると「お湯切れ」が起きてしまいます。特に冬場や来客が多い日など、普段よりも多くお湯を使った場合に注意が必要です。
たとえば、4人家族向けの370Lタンクでは、1日に約3〜4回のシャワーとキッチン・洗面の使用でほぼ使い切ることもあります。追加でお湯を沸かす「沸き増し機能」はありますが、深夜電力の時間帯以外で動かすと電気代が高くつく場合も。
ただし最近のモデルには、「自動学習機能」や「おまかせモード」などで使用量を予測し、最適な量を効率よく沸かす機能が搭載されているため、過度にお湯切れを心配する必要はないでしょう。
比較:エコキュート vs ガス給湯器
なにかと比較されることの多いエコキュートとガス給湯器。それぞれの明確な違いを、項目ごとにわかりやすく見比べていきましょう。
比較項目 | エコキュート | ガス給湯器 |
---|---|---|
初期費用 | 高い(40万〜70万円) | 安い(10万〜30万円) |
光熱費 | 安い(年間5〜7万円の節約も) | 高い(使用量に応じて変動) |
燃料 | 電気(主に深夜電力) | ガス(都市ガスまたはプロパン) |
お湯の供給方式 | 貯湯式(タンクから使う) | 都度加熱(瞬間式) |
お湯切れのリスク | あり(使用量による) | ほぼなし |
災害時の強さ | 停電後はすぐ再利用可能(貯湯あり) | ガス復旧が必要(状況により遅れる) |
設置スペース | 必要(タンク+ヒートポンプ設置) | コンパクト(壁掛けも可能) |
エコキュートは光熱費の節約や災害時の備えを重視したい家庭におすすめ。一方で、初期費用を抑えたい方や、設置スペースに限りがある家庭にはガス給湯器が適しています。
また、エコキュートは初期費用こそ高めですが、光熱費の削減によって長期的には元が取れる可能性が高いく、結果的に家計にもやさしい選択といえるでしょう。
まとめ:エコキュートは「未来型給湯器」
最後に、エコキュートを検討するうえで知っておきたい5つのポイントをまとめます。
- エコキュートは初期費用が高めだが、年間5〜7万円の電気代削減が見込め、長期的には元が取れる
- 夜間の安い電力を使ってお湯を沸かすため、光熱費を大幅に節約できる
- 災害時にも貯湯タンク内のお湯が使えるなど、非常時の備えとしても優れている
- タンク容量や設定によってはお湯切れのリスクがあるが、最新機種は自動調整機能で対応可能
- ガス給湯器に比べ設置スペースは必要だが、スリムモデルの登場で導入のハードルは下がっている
エコキュートは、「効率」「安心」「経済性」を兼ね備えた次世代型の給湯機器です。環境にも家計にもやさしく、非常時の備えにもなるという点で、これからの時代にフィットした選択肢と言えるでしょう。
ガス給湯器からの切り替えに不安を感じる方も多いかもしれませんが、補助金制度や省スペース設計など、導入のハードルは年々下がっています。将来の光熱費や暮らしの安心を考えるなら、今こそエコキュートの導入を検討する好機かもしれません。
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